私は、かねてから銅は安心であると思っておりましたが、皆様にも広く知っていただきたいと思い、その裏付けの一つとして、財団法人日本規格協会理事長殿に協会出版著書《銅のおはなし》の一部”誤解されていた緑青有毒説”の引用・転載をお願いしました。
引用・転載を承諾していただいた著書は、財団法人日本規格協会発行、著者仲田信一”銅のおはなし”P98〜103・”6誤解されていた緑青有毒説”です。
(98規総 第523号 平成11年3月2日)
以下引用・転載
誤解されていた緑青有毒説 緑青は、銅のサビの一種で緑色を呈し、昔から有毒であるとされてきました、ところで1955年代から1965年代にかけて、水道用銅管とガス瞬間湯沸かし器に対する青い水の問題、1975年代に入り、銅製の調理器具の普及とともに緑青問題というのがかなり出てきました、本質的にはちがうのですが、青くなるものはすべて緑青というように感じとられて、クレームの対象とされたのです。
緑青の衛生問題について、1984年8月7日厚生省の見解として、NHKテレビは朝のニュースワイドで、朝日、毎日、読賣の各新聞はその日の朝刊にそれぞれ”緑青猛毒説”は誤っていたと報道しました。 そこで大きい反響を呼んだわけです。
鑑賞としての色は素晴らしいのですが、食べ物となると何となく抵抗を感じ、感覚的に毒としてのイメージを引き出したのではないでしょうか。
1回にどのくらいの量を投与したならば動物が死ぬのだろうか、その量によってこのくらいの程度の毒だというふるい分けをします。 それは普通50%致死量と言う値で決まるのです。 どのくらいの量を与えれば、100匹のうち50匹が死ぬのだろうか、ということで急性の毒性を表す指標によって、これはだいたいどのくらいの毒性があると区別されます。
例えば、体重kgあたり、30mg以下で50%殺すのであるならば猛毒と言えます。 今回の実験で、いくらきつく見積もっても500mgとか、場合によっては1gという値が出るので、猛毒であるとは言えないということになったそうで、このような大量な数字は普通とり得ない値だそうです。 慢性毒性 毎日毎日、一生摂取した場合にどのくらい毒が出てくるだろうか、を調べます。 それは2種類以上の動物についてほぼ一生投与し、研究しなければいけないわけです。 ただ死ぬ、生きるちいう意味ではなく、例えば発ガン性があるとか、催奇形性があるとか、そういったものを含めて調べなくてはいけないのですが、一部それもやってあって、多くの報告から見ても今のところ銅にはそういった発ガン性があるということは認められません。 結論 これらを総合して、緑青は特別猛毒というように考える必要はないであろうとの結論になったのだそうです。 戸部満寿夫研究班長は、安全だから緑青をどんどん食べなさいと言っているわけではないのです。 本来的には、緑青をわかすような家庭というのは、衛生的に問題ありという証明なのです。 緑青の毒性を云々する前に、まず、そうしたものがわかないように、身の回りや家の中を清潔にするように心掛けるべきなんです。 そういう意味では緑青はいわば、衛生面のインディケーター(指針)と考えられるわけでして、もしなまけて緑青がわいてしまったら、それを取除いて使えばいいんです。 それが生活の知恵というものです、と締めくくっておられます。 緑青(Patina)の発生 緑青の成分は、銅に含まれる不純物の種類、あるいは銅が置かれた環境条件の差(空気及び水)によって若干の差があると言われますが、その主成分は塩基性炭酸銅CuCO3・Cu(OH)2を中心とした塩基性化合物であるとされてます。 銅屋根には自然に発生します、そのほか、海浜では塩基性塩化銅が、温泉地区では塩基性硫化銅が発生します。 食品衛生上しばしば問題となる緑青が銅鍋に発生するのは、銅の外面に強い酸化の原因になるものが付着したり、何らかの衝撃で銅に傷がついたとき、叉は保管する調理場の湿度が高い時などに、一昼夜放置したり、鍋に調理した食べ物を入れたままにしておくと微量の銅イオンが溶出して化学変化を起こし、食品の表面や鍋の内面が薄青色に変色します。 これらの化合物は調理に使用した調味料や香辛料などによって成分が異なりますが、塩基性酢酸銅などであるとされています。 一方銅鍋や銅管より出る緑色の化合物は、大部分銅イオンの色と考えられ、緑青とは性質を異にする塩素その他の陰イオンとの化合物として把握されるもので、銅としての毒性の面からは別途に検討すべきものとされています。 銅の有効性 日本人はいったい銅を一日にどのくらいとっているのだろうか、またその量は必要十分な量であろうか。 ただ毒性、毒性と言うのではなく、銅の有効性も考えながら、銅と人間のかかわり合い等を、更におし進めていく必要が有るのではないでしょうか。 |
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